- オンラインギャンブルが日本でプレイできる理由を元オンカジ中の人が仕組みから解説
- 日本の賭博法ではグレーゾーン、ネットギャンブルに関する法律自体が存在しない
- 日本唯一の判例は無罪、弁護士の見解は問題なし
ポーカーブームで最近注目されているオンラインカジノ。都合のいい情報ばかりで、本当に安全なのか不安に思っていませんか?
正直、逮捕されなければ違法でもいいんだけど、いきなり入金は怖い・・・という方も多いです。
この記事では、元オンラインカジノ中の人が、カジノの仕組みから順番に、弁護士やポーカープロの見解を実際の逮捕例を交えて解説します。
この記事を読めば、「オンラインカジノの法的に曖昧な部分」が全て分かり、モヤモヤせずに勝負師としての第一歩が歩めます!
日本の賭博法は、胴元(お店側)の検挙が目的で、利用者だけの逮捕を目的としていないんです。
大きい声では言えませんが、行間を読んでもらえればと思います。
目次(タップでジャンプ)
オンラインカジノは海外の法律の元で運営されていれば合法
オンラインカジノの営業には以下の2つが必要になり、この条件を満たして運営されていれば合法です。
- オンラインゲーミングライセンス(営業許可証)
- オンラインカジノ合法国のサーバー
オンラインゲーミングライセンスは、国から正式に発行されるネットギャンブルの営業許可証で、カジノライセンスと呼ばれます。
カジノライセンスの確認方法
オンラインカジノのサイトトップページ一番下にライセンスの表記があります。ここをクリックするとライセンス番号が表示されます。
ライセンス番号が記載されていないカジノは違法ですので注意しましょう!
キュラソーライセンスはいくつか種類がありますが、全て政府が正式に発行しているものです。
ライセンスの発行は厳しい審査があり、不正がないか見極める第三者機関も存在しています。
イカサマをしたら、すぐにライセンスが取り消されますし、そもそもオンラインカジノは、不正を行えない仕組みになっています。
イカサマや不正については、オンカジってイカサマできる?されない?で詳細に解説しています!
【賭博法解説】日本でオンラインカジノを遊ぶのはグレーゾーン
引用: 日本で賭場開帳し賭博を行うベトナム人さんのSNS
この疑問の答えは、グレーゾーンというより「日本には、オンカジに関する法律自体が存在しない」が正確な答えになります。
日本には賭博法がありますが、賭博法は胴元(お店側)の検挙を目的としていて、利用者だけを逮捕することを目的としていません。
ここからは、日本の賭博法の成り立ちから、グレーゾーンな理由を解説しますね。
刑法185条(単純賭博罪)
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。刑法186条(常習賭博及び賭博場開帳図利(とり)罪)
1.常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2.賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。引用: 刑法185-186条 賭博及び富くじに関する罪
賭博法は胴元(お店側)を罰する法律
ふふふ、正にギャンブル豆知識って感じですね!
そもそも、単純賭博、常習賭博に関する法律は、明治政府が定めた非常に古い法律で、胴元(お店側)の反社会的勢力を取り締まるためにできた法律です。当時の暴力団対策法の一種だったんですね。
賭博の捜査は、胴元の反社組織の検挙を目的としていて、プレイヤーだけ罰することを目的としていません。これは、警察の捜査方針にもしっかり記載があり、「娯楽としての麻雀や、胴元のいないギャンブルを安易に検挙してはならない」とされています。
パチンコや雀荘、ソーシャルゲームのガチャなど、黙認のギャンブルを含めると、日本は世界でもトップクラスのギャンブル大国なんです。
では話を戻して、オンラインカジノみたいに、胴元が海外の法律の下、正規に運営している場合はどうなるのかというと、それについては定められていません。
賭博法は、100年以上前の明治時代に作られた法律なので、ネットを介して海外のカジノを日本にいながらプレイできる状況は想定されていないんです。
日本人が海外旅行で現地のカジノに遊びに行っても問題ありませんが、ネットのおかげで、日本にいながら海外のカジノが遊べるようになってしまいました。
【逮捕できない理由】警察は海外サーバーに情報開示請求できない
実は日本の警察は、海外の法律が適用されるサーバーに捜査令状を出せません。
これは法的に強制力を持った情報開示請求ができないということ。
私は一度だけサポート対応で、任意の情報開示依頼を受けましたが、もちろん個人情報保護に基づき拒否して終わりでした(問い合わせいただいた方は警察ではなく弁護士でした)。
警察がどうしても逮捕しようと思えば、アナタの個人情報やユーザーID、賭けを行った裏付けや金額を特定しなければなりませんが、これはカジノサイト以外に、ゲームプロバイダーや入出金仲介業者からも裏付けを取らなければならず、現実的ではありません。
ユーザーIDは個人特定に繋がるから公開は止めておいたほうが無難だよ!
海外旅行で日本人が現地カジノで遊戯しても実は違法?でも逮捕されない理由
日本人が海外旅行で現地のカジノに遊びに行っても問題ありません、と言いましたが、厳密には海外の現地カジノで遊んでも、国外犯として賭博法に抵触します。
では、なぜ逮捕されないかというと、賭博法は国外犯処罰規定で免除されているからです。
警察の捜査方針にも、「娯楽としての麻雀や、胴元のいないギャンブルを安易に検挙してはならないとされている」と言いましたが、賭博法を厳しく厳格に適用すると、「最後の1枚のクッキーをじゃんけんで勝ったほうが貰う賭け」で成立してしまいますよね。
賭博法自体が大前提として、胴元(お店側)の反社組織の検挙が目的の法律で、プレイヤー側は黙認される曖昧な法律なんです。
プレイヤー側なのに3人の逮捕者が出たスマートライブカジノ事件
ここまで、オンラインカジノに関する法律が存在しないことを説明してきました。では警察の見解はというと、どちらとも言えない立場を崩していません。
オンラインカジノの長い歴史の中で、過去に3人だけプレイヤー側での逮捕者がいます。それがスマートライブカジノ事件です。
オンラインカジノ業界では、違法なカジノ業者の逮捕はありがちな話であったため、「どうせ違法なサイトでしょ?」という感じで騒がれていませんでした。
逆に、ポーカー界隈の方が有名になったかもしれません。私も当時ポーカー掲示板で知りとても驚きました。
そんな激震の走ったこの事件の詳細について解説します。
【弁護士の見解】日本唯一のオンラインカジノ利用者逮捕、結果は無罪
2016年3月、スマートライブカジノにて、日本初の、オンラインカジノ利用者3人が逮捕されるニュースがありました。
このサイトは、海外の正規ライセンスを取得したカジノで、合法サイトの利用者のみを逮捕するというのは前代未聞です。
これにより、やはり違法なのでは・・・という声が出ることになります。
事件の推移は、逮捕後に警察は逮捕された3人に「今なら罪を認めて罰金払えば許すよ」と持ち掛けました。これを略式起訴といいます。
事件当時、弁護を担当した、麻雀プロ弁護士の津田岳宏先生の不起訴獲得時のブログ記事はこちらです!
»不起訴の勝ち取りーオンラインカジノプレイヤーの件
私は昨年から,いわゆるオンライカジノをプレイしたとして賭博罪の容疑を受けた人の弁護を担当していたのであるが,これにつき,不起訴を勝ち取ったのである。
(中略)
本日時点において,オンラインカジノプレイヤーが対象となった賭博罪被疑事件で争った案件は国内でただひとつであり,そのひとつは,不起訴となった。営利の目的なく個人の楽しみとしてする行為を対象とする単純賭博罪の不当性をうったえ続けている弁護士として,この結果を嬉しく思う。
こちらの記事でも、弁護士の視点で、オンラインカジノが問題ないことが語られており、日本で唯一のオンラインカジノに関する判例は不起訴となりました。前例主義の司法において、これは非常に大きい事件です。
スマートライブカジノ利用者3人が逮捕された理由は警察の勘違い?
- ブログで収支を公開していて、そこでプレイヤーの個人情報が分かったから
- 日本人向けのサービスに特化しすぎて、日本で運営されていると勘違いされた
- 略式起訴で無理やり有罪の前例を作ろうとした
などが、事件当時よく言われていました。
日本の警察は、海外のサーバーに開示請求ができないので、何も証拠がない状態で逮捕に踏み切っていることからも、日本で運営されていると勘違いされたのではと言われています。
胴元(お店側)が日本にいる場合は、当然違法になり賭博法の対象です。違法な闇カジノと勘違いして摘発したら、普通の利用客だったのですが、警察も逮捕してしまった以上引くに引けなくなってしまったのです。
オンラインカジノの利用者の逮捕はこの1件のみ、しかも無罪という結果は、非常に重要で、警察も不起訴になる事例で逮捕に動くことはないでしょう。
スマートライブカジノ事件当時のポーカープロの反応
引用: 当時ポーカースターズ契約プロの木原直哉さん
大して騒がれなかったオンラインカジノ界隈とは対照的に、ポーカー界隈では、非常に先行きを不安視されていました。
有名なポーカー掲示板であるひゃっほう掲示板では専用スレが立てられ、毎日「今後は違法化されるのではないか」といった書き込みが続いていたことからも、この事件の注目度の高さを物語っています。
以下が事件当時の、東大卒プロポーカープレイヤーの木原直哉さんの書き込みです。
当時の木原さんは、オンラインポーカーサイトのポーカースターズとプロ契約を結んだ広告塔であり、もちろん毎日プレイしていることを公表しています。
1623 : key@team-online :2016/01/28(木) 07:57:45 ID:ZmEyMjYzM2J 0
>>1616
気にする必要は全くないです。
仮にいきなり逮捕があるとしたら、自分かしすさんだと思いますが、二人とも全く気にせずプレーしています。2438 : key@team-online : 2016/03/11(金) 05:40:21 ID:ZmEyMjYzM2J 0fa-exclamation-triangle注: 「しすさん」は有名な株トレーダーのcisさんのこと。ポーカープレイヤーとしても有名で、ひゃっほう掲示板に専用スレがあります。
>>2431
この人たちが賭博で起訴されたら残念ながら日本からはやるのは中断します。賭博罪で有罪判決が出たら完全にやめます。
というか、スターズは日本からアクセスできなくなると思います。スターズのコンプライアンスチームは優秀ですし。
それまでは普通に打ちますよ。逮捕自体は有罪でもなんでもないですし。
見解を聞かれても、このニュースについては注意深く見守る必要がある、としか言いようがないです。
また、日本のポーカープレーヤーが一斉逮捕ということは全く現実的ではないとも思います。 2497 : 名無しさん@ポーカー大好き: 2016/03/12(土) 04:38:08 ID:ZDgyZDFiNDR 0
木原さんが、ご自身がオンラインポーカーを国内でプレイすることの認識について、
1.刑法186条の1に抵触するという認識がありつつプレイしている。
2.自身が法に触れる行為をしているとは思っていない。
3.グレーゾーンであり、逮捕されるかどうかは出たとこ勝負である。
上記1-3のどれですか?
プロとして、客観的ではないご自身のスタンスをご教示頂けますか? 2499 : key@team-online : 2016/03/12(土) 05:02:00 ID:ZmEyMjYzM2J 0
>>2497
2と3の間ですが、現状すぐ逮捕されることはほぼないと思ってます。なので、2寄りという感じでしょうか。ただ、状況は固定ではないので、判断は変わり得ます。
逮捕される可能性がリアルにあると判断したら、1に近づいたと判断して日本からのプレーをやめますが、その前にスターズは日本から撤退するでしょうから、「日本からスターズを打てなくなったら」が撤退のタイミングだと考えます。
【国会の反応】阿武町4630万円誤給付事件を受けて岸田総理の「オンカジは違法」発言
2022年の6月1日、岸田文雄総理から「違法なものであり関係省庁と連携し、厳正な取り締まりを行う」という発言がありオンカジやポーカー界隈を賑わせました。
これは山岸一生議員が、年間203万人以上がオンラインカジノを遊戯しているという国際カジノ研究所の調査を引用した上で「オンラインカジノを放置したまま箱物カジノを認可することはありえないのではないか」という質問に対する答弁です。
【速報】キターーーーー!!
衆院予算委員会・山岸一生議員(立憲)の質疑に対し
岸田総理「オンラインカジノは違法なものであり、関係省庁が連携し厳正な取締りが行われなければならない。また資金の流れや実態把握を行うことも重要。合わせて依存症対策にも考えてゆかなければならない重要な課題」— 木曽崇@国際カジノ研究所:飯テロ警報発令中 (@takashikiso) June 1, 2022
引用: 国際カジノ研究所の木曽崇さんの当時の反応
木曽崇さんはオンラインカジノ規制派IRカジノ推進派の方です。その木曽崇さんですら「現行法で逮捕は難しい。法改正も現状できないと思う」と発言されています。
実は、国会で過去にも同じようなことがありました。次の章で解説します。
2020年の国会でのオンラインカジノに関する質問は保留中
2020年2月14日、国会で丸山穂高議員から、「結局オンラインカジノは違法とするのか?合法にして財源とするのか?」という趣旨の質問書が出ていました。それに対し自民党は、「一般論として、ギャンブルは推奨できない」と回答。オンラインカジノには言及せず保留を続けています。
»オンラインカジノに関する質問主意書 - 衆議院
過去にもこういった答弁は続いていて、オンラインカジノに手をつけると「パチンコや雀荘が黙認される理由は何?」という話になってしまい、自民党は明確に答えていません。
【まとめ】日本でオンラインカジノをプレイしても逮捕されない
以上の理由から、日本でオンラインカジノを遊ぶリスクは限りなくゼロに近いです。
- オンラインカジノ自体は、海外の法律の元で合法的に運営されている
- プレイヤー側の逮捕者は1件のみで結果は無罪
- 仮に逮捕されるとしてもポーカープロが先の可能性が高く、その前にカジノは日本から撤退する
既に日本では200万人以上がオンラインギャンブルを楽しんでいます。
その全員を捕まえるのは不可能なのはもちろん、これから日本にもカジノができる法案が上がっている状態で逮捕される可能性は、私は「ない」と判断しています。
それでも心配な方は、ライセンス元やカジノサイトに、納得いくまで問い合わせてみてください!
今後変わっていく可能性はあるので、どうしても断言できない部分はありますが、行間を読んでもらえたらと思います。
ギャン豆は、挑戦するアナタの勝利をお祈りしています!グッドラック!